FULMAのこれまでと未来。5周年の節目に語る代表インタビュー
- インタビュー
目次
「ネットで大炎上もした。それでも『子どもたちのやりたいことを応援したい』という想いはブレることはなかった」
2021年7月4日で創業から5年を迎えるフルマ。
これまで教室やイベントを通じて6,000人以上の子どもたちと一緒に動画を作ってきました。
しかし、当初は事業が上手くいかずワークショップの参加者が一人もいないことや、イベント会場の管理人に会場を追い出されたこともあったと当時を振り返ります。
今回フルマの代表である齊藤にこれまでの歩みと将来の展望を、インターン生の華輪がたっぷりと聞いてみました。
<聞き手=華輪匠眞>
創業の原点は高校時代に
華輪:この5年間、一貫して「子ども」に対してサービスを届けてきたと思います。起業するまでに何か原体験があったんですか?
齊藤:高校時代に立ち上げたボランティア団体での経験が大きいかなぁ。
当時は地元の子どもたちを対象にしたキャンプの企画運営や、地域のお祭りでのボランティアを行っていたんだよ。
子どもたちのやりたいことをキャンプを通じて実現する楽しさを忘れられなかったのが、フルマを創業したきっかけかな。
華輪:その後大学2年生時に起業したと思うのですが、大学でもボランティアなどで子どもに関わる選択肢は無かったんですか?
齊藤:ボランティア団体は収益的に持続可能性が低いことを高校生の時から課題に感じていて。
ビジネスとして、経済的にも自立した形で継続的にやりたいという思いが起業という選択をした大きな理由かな。
華輪:確かに収益がなく、寄付などだけでは安定して活動を続けるのは難しいですもんね。
創業当初も高校生の時のようにキャンプやイベントの運営を行っていたんですか?
齊藤:当初は月額定額で、陶芸や実験など様々な体験を、子どもたちが好きなだけできるサービスを行っていて。
「自分のやりたいことが分からない子どもたち」が、思う存分興味のあることを体験できればいいなと思って始めたサービスだったけど、上手くいかなくてすぐに辞めてしまったんだよね。
炎上から始まった「日本初の子ども向けYouTuberスクール」
華輪:最初は上手くいかなかったんですね…
その後すぐに、子ども向けの動画制作スクール「YouTuber Academy」をスタートしたんですよね。
きっかけを教えてください。
齊藤:月額定額で様々な体験ができる事業をやっていた時は「自分のやりたいことが分からない子どもたち」に事業を届けたいと考えてたんだよね。でも、当初の事業が上手くいかない中で「やりたいことがあるんだけど実現できていない子どもたち」にサービスを届けてみようと思うようになって。
当時は「YouTuber」が小学生のなりたい職業ランキングで上位に入るようになっていたんだけど、子どもが動画制作やネットリテラシーを学ぶ環境がほとんど無かったんだよ。
野球やサッカーをやりたい子どもは地域のクラブや部活でチャレンジできるのに、「YouTuberになりたい」、「動画を作りたい」という子どもたちがチャレンジできる場がないのはおかしいと直感的に思った。
フルマの理念である「子どもたちのやりたいことをカタチに」という軸はブレていなかったから、「これだ!これしかない!子どもたちが楽しく安全に動画制作に挑戦できる環境を作ろう!!」という思いだったね。
その後はすぐに、YouTuber Academyをスタートするための準備を全力で進めた。
華輪:とはいっても、当時は今以上に「YouTube」や「動画制作」は娯楽として認識されていたように思います。習い事として事業を行う中で苦労することがあったんじゃないですか?
齊藤:ありがたいことにテレビに取り上げてもらったんだけど、その直後にネットで大炎上した…笑
SNS上では「YouTuber養成講座なんて日本の終わりだ」などというツイートが飛び交い、会社のホームページに「今すぐサービスをやめてください」「何考えているんですか」という長文のメールが届いたね...。
華輪:それはめちゃくちゃしんどいですね。僕だったら心が折れちゃうかも…
どうしてそんな状況でもサービスを信じて継続できたんですか?
齊藤:実際に教室に通ってくれる目の前のお客さんは喜んでくれていたし、批判してくる人と同じくらい自分たちのサービスを評価してくれる人がいるのも知っていた。
僕たちが目指すのはYouTuberを養成することではなく、「子どもたちのやりたいをカタチにすること」。
社会からの批判を気にすることなく、子どもたちがより楽しんでくれるサービスを作っていこうと改めて思うきっかけにもなったね。
華輪:ピンチをチャンスに変えて、進む方向がより明確になったんですね。さすがです。
齊藤:今振り返ってみれば、メンバーの結束がより強固になったという意味でもいい経験だった。当時はホント大変だったし、かなりヘコんだけど…笑
コロナ禍でも変わらない子どもたちへの想い
華輪:その後順調に教室数が増加し、教室数は3年間で15校舎になりました。そんな中で、コロナウイルスの流行が起きました。
このタイミングで全生徒を対象に教室での授業をやめてオンラインでの授業に切り替えましたが、あの時は大変でしたね…
齊藤:ここまで積み重ねてきた教室での実績がゼロになることや、これまで通ってくれていた子どもたちが辞めてしまうのではないかという不安はやっぱりあったよね。
でも、コロナウイルスの流行は長引きそうだったし、元々オンラインで動画制作を学べるコースを作る構想はあったんだよ。
中途半端に教室とオンライン両方やるくらいなら、オンラインに絞って子どもたちが楽しく安心して学べるサービスを作ることに集中しようと決断したね。
華輪:教室での授業をやめて、オンラインへの移行を発表してから、保護者の方からの色々な反響がありましたよね。
齊藤:もちろん「教室で学びたかった」という声もあったけど、「こんな状況でも学ぶ機会を守ってくれてありがとうございます」という声もいただいた。
これは僕たちにとって本当にありがたい言葉だったなぁ。
他にも、送り迎えの手間が無くなったことで負担が減ったという親御さんの声もいただいた。
オンライン化に伴って、子どもと先生1対1の個別指導が実現するなど、オンラインだからこそ生まれる価値や実現できることもたくさんあると思うから、
今後も子どもたちや保護者の方にもっと満足してもらえるサービスを作っていきたいね。
華輪:対面での授業からオンラインでの授業へと形態が変わる中で、子どもたちに満足してもらうために特に大切にしていることはありますか?
齊藤:「子どもの反応を見ること」はとても大切にしているね。
毎月500時間以上ある全ての授業の録画データを確認して、講師へのフィードバックや教材の改善を行っている。
オンラインの学びは教室の授業以上に、授業内容や教材が子どもにとって分かりやすいのかが重要になってくると思っていて。
より良い授業を届けるために、授業中の子どもの反応を元に授業内容や教材の改善を毎日繰り返しているね。
楽しそうに授業を受ける子どもたちの様子を見ると僕自身も嬉しいし元気をもらいます笑
動画制作を全ての子どもたちに
華輪:子どもが楽しく授業を受ける姿が1番元気をもらえますよね。僕も授業を担当しているので、すごく分かります笑
では、このインタビューの最後にフルマとして今後挑戦したいことを教えてください!
齊藤:はい!なんか背筋が伸びるね笑
ネットリテラシー教育に関しては、自分たちが誰よりも分かりやすく大切なことを教えられる自信がある。今後、子どもたちがより幼い頃からインターネットに触れる時代が来ると思うので、ネットリテラシー教育をもっと世の中の役に立つ形で広く小学生や中学生に届けていきたいね。
他にも、経済的な理由でフルマオンラインに通えない子どもたちにもサービスを届ける仕組みを作っていきたい。
様々な事情に関わらず、子どもたちが「やりたいことをカタチに」できる世の中を実現していきます!
編集後記
インタビューを通じて、フルマが歩んだ5年という年月の濃密さを改めて実感しました。
また、常に子どもたちのことを最優先に考える齊藤の言葉の数々に僕自身も背筋が正される思いでした。
全ての子どもたちが「やりたいことをカタチに」できる世の中を目指して、
これからもフルマは歩んでいきます。
今後のフルマをどうぞよろしくお願いいたします!
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