【小学生の保護者必見】 ネットリテラシーを知らないと起こるトラブルと家庭での学び方
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令和2年に行われた内閣府の調査では、小学生の約80%が1日に1時間以上ネットに触れていることが報告されています。保護者の方の中には、「うちの子はもっと長い時間YouTubeを見たり、ゲームをしている!」という方もいらっしゃるかもしれませんね。
子どもたちがネットに触れる機会が増えている一方で、学校教育でネットリテラシーを学ぶ機会は十分ではありません。中学生になればYouTubeに動画をアップしたり、SNSを自由に使ったりすることが出来ます。
そこで今回は、ネットでトラブルに巻き込まれたり、加害者にならないように、小学生から知っておきたいネットリテラシーについて解説し、ご家庭で出来る学習方法についても紹介していきます。
そもそもネットリテラシーって何?
ネットリテラシーは「ネットを使いこなすチカラ」
ネットリテラシーのリテラシーという言葉には使いこなすという意味があります。
つまりネットリテラシーとは本来「インターネットを正しく安全に使いこなすチカラ」という意味になります。しかし現在は、インターネットの危険性の知識や、インターネットを使用するうえでのモラルという意味も含めてネットリテラシーという言葉が使用されています。
これまでは情報の受信者としての知識が求めれていましたが、昨今はSNSの普及により発信者としてのネットリテラシーも求められ始めています。
なぜネットリテラシーが必要?
令和2年に発表された警視庁の調査によると、2009年から2019年の10年間で、子どもが SNSを起因としたトラブルに遭う件数は約2倍に増加しています。SNSの普及、スマホやタブレットを使用する子どもたちが増える中で、教育が追いついていない現状があります。便利だからこそ禁止するのではなく、正しい知識を身につけることで、トラブルを未然に防ぐことが大切です。
ネットリテラシーは何歳から必要?
内閣府の調査では3歳で約50%、7歳で約70%の子どもがインターネットを使用して動画などを見ているとの調査結果が出ています。更に近年はYouTuberの影響もあり、自分も動画を撮ってみたいと考える子どもたちも増えています。中学生になると、TwitterやYouTube等への投稿が可能になることからも、小学生のうちから少しずつネットリテラシーを高めていくことが望ましいといえるでしょう。
身近で起きるかも?実際に起きた2つの事件
ネットでのトラブルを防ぐためにネットリテラシーが必要と言われて、具体的にどんなトラブルが起きる可能性があるのか想像できるでしょうか。今回は実際に起きた事件とその原因を解説していきたいと思います。
動画の背景から住所が特定された
2016年、小学生の男の子がネットに投稿した動画が炎上し、住所が特定されてしまいました。動画は自宅で撮影していたもので、動画に映っていた周囲のお店やゴミ収集日のカレンダー、Facebookの情報等から住所を特定され、嫌がらせの被害に遭いました。
動画の中で、直接個人情報を話していなくても、思いがけないところから悪意ある人達によって、個人情報を特定される場合があるので注意が必要です。
犯人と間違えてデマを拡散
2019年、あおり運転を行い、相手を暴行する男性が逮捕される事件が起きました。男性が暴行する様子を撮影した、男性の同乗者の女性A(通称ガラケー女)について、ネット上では特定が始まりましたが、犯人ではない別の女性Bが犯人と勘違いされてしまいました。
勘違いをしてしまった一人である元愛知県豊田市議は「早く逮捕されてほしい」と女性Bの写真付きでFacebookに投稿しましたが、後日女性Bが犯人ではないことが分かりました。女性Bは裁判を起こし、この市議は名誉毀損で33万円の慰謝料を支払い、辞職まで追い込まれました。
市議本人に悪意があったわけではありませんでしたが、結果としてデマを広め、関係ない女性Bの名誉を傷つけた加害者となってしまったのです。
知っておきたい5つのポイント
ネットリテラシーを学ぶ上で、特に知っておきたい5つのポイントを紹介します。
①個人情報をネットで公開しない
ゲームやSNSなど、ネット上では自分の名前、住所、学校名、電話番号などの個人情報を言わないように注意しましょう。特に小学生の間で流行っているゲームの中には、ネットを通じて知らない人と会話が出来るものもあるので、注意が必要です。
②背景や映り込みに注意
写真や動画をアップする場合は、背景や周囲の風景の映り込みには注意が必要です。背景に映った景色から場所を特定されるだけでなく、自宅にある賞状など映り込み、名前が特定されるケースもあるので、注意しましょう。
③ウソの情報もある
ネットには色んな情報があります。中には嘘の情報もあるため、全てが正しい情報と思わず、複数の情報を照らし合わせて正しい情報か確認する必要があります。誤った情報を拡散してしまうと、デマを広めてしまうかもしれないため、注意が必要です。
④相手の気持ちを考える
自分が書き込み場合、伝え方によっては相手を傷つけたり、怒らせたりしてしまう可能性もあります。その時の気持ちで衝動的に書いてしまったものも、相手に深い傷を負わせることになるかもしれない、という想像力が必要です。
⑤ネットの情報は一生残る
ネットに一度アップされたものは、基本的に消すことはできません。誰かがダウンロードしたり、カメラで撮影されたりしている可能性もあるので、ネットにアップするときは一生残っても問題ないように、恥ずかしい情報や、誰かを不快にするような情報はアップしないように気をつけましょう。
家庭でネットリテラシーを学ぶ方法
書籍で学ぶ
ネットリテラシーについて学べる本はたくさんあります。好きなものを買って、家族で一緒に読みながら家庭のルールを決めてみましょう。今回は特に人気な本を2冊紹介します。
動画で学ぶ
個人情報やフェイクニュースなどの解説動画をYouTube等で見ることで正しい知識を身につける方法があります。フルマが公開している小学生向けの動画もあるので、ぜひお子さんとご覧ください。
Webサイトで学ぶ
ネットリテラシーを学習できる便利なWebサイトも増えてきました。必要な部分を見つけてお子さんと一緒に見てみてください。
ネットを使いこなすことで広がる世界
ネットリテラシーとは、インターネットを正しく安全に使うチカラのことです。
これまでネットの危険性ばかりに注目してきましたが、ネットを正しく使うことで広がる世界もあります。今回はそんなネットを使いこなすことで生まれたスターを紹介したいと思います。
家族ビデオから世界的YouTuberに
日本人の父と、ベトナム系アメリカ人の母を両親に持ち、米国テキサス州に住むライアン君くんは普通の男の子でした。日本やベトナムなどに点在する親戚にライアン君の成長を見せようと、両親がホームビデオを撮影し、YouTubeにアップしたことをきっかけに、そこから人気に火が付きました。現在、ライアン君は登録者数が4000万人を超える人気YouTuberです。
YouTubeをきっかけに世界的ミュージシャンに
世界的歌手ジャスティン・ビーバーがミュージシャンになったきっかけは、彼が12歳の頃にアップしていた歌の動画でした。様々な曲を歌い、自分のチャンネルにアップしていたのをレコード会社の人が見つけ、歌手として正式にデビュー。今では世界的大スターになっています。
さいごに
今回の記事ではネットリテラシーについて紹介していきました。
もちろんトラブルを避けることも重要ですが、21世紀を生きる子どもたちには単にネットを避けるのではなく、ネットリテラシーなど正しい知識を身につけたうえで上手に使いこなすことが求められるのではないでしょうか。
ぜひ、本記事内で紹介した学び方を試してみたり、家族でルールを決めたりして安全にインターネットを使ってみてください!