「動画編集って何でもできる!本当に作りたいものを楽しんで作ってほしい。」FCAファイナリストインタビュー #1
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目次
FULMA株式会社の主催する、全国小中学生動画コンテスト FULMA Creator Awardsでは、小中学生クリエイターたちからの「好き」の詰まった作品を募集しています。
今回は、昨年度マイクロソフト賞受賞者の高原 京さんに、作品を作ろうと思ったきっかけや、制作の裏話についてお聞きしました。
高原 京さんの作品
作品タイトル:
【SCP MAD】SCiP file
作品説明:
SCP財団(自然法則に反した存在・物品等を取り扱う架空組織)の職員が、SCiP(SCPオブジェクト)Fileに保存されているSCiPを見ていくというあらすじです。
動画作品
※SCP財団・SCiPとは
SCP財団とは、2008年に開設されたインターネット上の共同物語創作コミュニティです。日常に潜むフィクションの怪奇現象やホラー要素を、「報告書」という形で、自由に投稿できるようになっています。
SCiPとは、これらの報告書内に登場する怪奇現象のことを指します。
日本語版サイトはこちら
作品制作のきっかけ
今回の作品を作ろうと思ったきっかけを教えてください。
まずコンテストに動画を出すってなった時に、動画を作るためのモチベーションがすごい高くないと、いい作品が作れないなって思いました。自分のガチで本当に好きなものってなったら、SCPのMADは動画を作ってて超楽しいから、めっちゃモチベーション上がるなって。本当に自分が作りたいものにしたって感じです。
※MADとは
既存の音声・ゲーム・画像・動画・アニメーションなどを編集・合成し、再構成したもの。
今回の作品を作るとなった時に、まず何から始めましたか?
動画の背景を作るところから始めました。今回の題材がSCiPファイルで、コンピューター内で職員が(SCiPの報告書のファイルを)見てる画面みたいにしたかったので、まずはその背景画像を作りました。
作った1枚の背景画像の上に、いろいろな画像と動画を乗っけて、サビ前まで一気に作りきりました。
▲高原さんの動画の一部。背景となる画像を最初に制作。
SCiPはたくさん存在すると思うのですが、作品に使ったSCiPはどうやって決めたのですか。
好きなやつはほとんど全部入れてます。それ以外にもマイナーなあんま知られてないSCiPも入れてますね。
視聴者さんにSCiPを色々知ってもらいたいんです。有名なものばっかだともちろん盛り上がるんですけど、隠れ名作SCiPも結構あります。そういうSCiPを入れたら、マイナーSCiPが好きな人は喜ぶし、知らない人は調べてくれるかなと思って入れました。
▲高原さんの一番好きなSCiP「人々」のシーン
制作について
動画制作にはどのくらい時間がかかりましたか。
まじで超期限ギリギリだったんですよ。
最後のエンドロールとか作るときとかハマった時は、深夜2時ぐらいまでずっと編集してました。あんまりよくないんですけど夜ふかしして笑
何時間とか細かいことは分からないんですけど、1回始めるとマジ止まんなくて、5時間くらいずっとやってます。結構長いと思います。
最終審査会のプレゼンでは、1つのシーンの動きを作るのに3日かかったと言っていましたね。
素材とかSCiPの動きを、頭の中でイメージすることにもすごい時間はかかるんですけど、 イメージができた後に、さらに実際の動画で動きを再現するのにも時間がかかって、って感じなんですよね。
素材の動き方などのイメージは企画の段階で決めましたか?編集をしながら決めましたか?
背景を作った後、SCiPの動きを上から乗せたんですけど、その時に「ここにはこれを入れたい」っていうのを決めてます 。その場で決めてその場で採用したって感じです。
即興でこれにしようってなって、一応とりあえずメモるんですけど、メモる段階でもう作っちゃってますね。
一番の推しポイント
今回の作品の一番の推しポイントを教えてください。
ありすぎるくらいたくさんあるんですけど笑
でも、一番脳内イメージ通りに、自分で自分を褒めるぐらい上手くできたポイントがあります。
サビの前の、背景が単調な状態から、一気に盛り上がって「人々」のSCiPが出てくる切り替わりのシーンがあるじゃないですか。あそこのSCPマークが回るシーンです。
▲切り替わりのシーン
このシーン、落ち着いた感じから、いきなり盛り上がる感じにしなきゃいけないじゃないですか。頭の中ではイメージが思い付いたんですけど、 最初は「これ俺が作るってだいぶハードル高いな」って思っていて。
でも、試しに作ってみたら、超イメージ通りにできました。マジで、できた瞬間「うおー」ってなりました。
初めてこのシーンを見た時、鳥肌が立ちました!
このシーンは、実は一発では作っていないんです。
文字部分を別のプロジェクトで作って、一旦書き出して動画にしています。その後、その動画をもう一度タイムラインに入れて、動画ごとエフェクトをかけたりアニメーションを付けて表現したら、うまくいったんですよね。
Luma Fusion(※高原さんの使っている編集アプリ)は5つまでトラックに(素材を)入れられるじゃないですか。なんですけど、これ作るってなった時に、5つじゃ絶対無理だなって思ったんで、一旦書き出してみました。
この方法を思いついた時には、もうマジモチベーション爆上がりでしたね。動画編集って何でもできるなって。
この動画以外にも、普段から文字PVとかを作ってるんですけど、自分のイメージを実現させるやり方が見つかった時はすごい嬉しいし、めっちゃ興奮しますね。
※エフェクトやアニメーション
動画に動きや効果をつけるための編集手法
動画編集のイメージはどんなところから思いつくんですか?
MAD系の動画を見てると、色んな動画のいいとこだけ合わせたら、イメージがいっぱい浮かび上がるんですよね。 色んな動画を見てると思いつきますね。
最終審査会でのお気持ちを聞かせてください!
最終審査会では、舞台に上がって、作品の魅力をプレゼンしてくれたと思います。その中でこれだけは伝えようって思っていたことはありますか。
Luma Fusionの5つまでしか素材を組み合わせられない特性を利用して、プロジェクト何重も重ねて工夫したことと、「ああ、このSCP出てきたな」みたいな楽しさを視聴者さんに感じてもらいたかったんで、そういうのも強調しましたね。
これをきっかけにSCPの沼にハマってくれたら嬉しいです。
高原さんは、見事マイクロソフト賞を受賞されましたね!その時の気持ちを教えてください。
今回の作品のSCiPファイルって 個人的には結構攻めた作品だったと思います。こんな自分の作りたいものだけを作ったみたいな、攻めた作品で賞を取れたことが、もう単純に「嬉しい」しかなかったです。自分が作った労力っていうか、それが認めてもらえた感じで、超嬉しかったです。
今年もコンテストにチャレンジしますか?
するとしたら、実写動画と編集とを組み合わせた感じの動画がいいなと思っています。
実写の撮影をするってなったら、現実とこの編集世界の融合にチャレンジすることになると思うので、今までとは違う、新しい感じの編集になると思います。新しいことに挑戦して、いけるとこまで行きたいと思ってます。
今年の応募者へ一言!
最後に、今年の応募者に向けて一言お願いします。
とにかく自分の本当に作りたいものを楽しんで作ってください。
自分の作品も、本当に自分の作りたいものを作ったって感じなんです。それで編集のモチベーションも上げながら作れたらいいですし、楽しみながら編集して、いいものができた時の達成感を知ってほしいです!
高原さん、インタビューをお受けいただき、ありがとうございました!
自分の熱中できる好きなものを、楽しんで作ってほしい、とのお話に、思わず頷きながら聞きいってしまうインタビューでした。
今後のご活躍も、心から楽しみにしています!
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また、今年のFCAは下記からエントリーできます。
ぜひ皆さんも自分の好きなものをテーマに動画制作にチャレンジしてみてください!
[エントリーはこちら]
https://fulma.com/awards/entry
みなさんの好きを詰め込んだ、素敵な作品と出会えることを、心より楽しみにしています!